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組織学 ー 上皮組織

人体にはおよそ200種類の細胞が存在する。同じような構造と機能をもった細胞の集まりと細胞間質を併せて、組織 tissueという。

組織は、基本的には、

  • 上皮組織 epithelial tissue:体表を覆ったり、体腔の内面を覆ったり、腺を形成する。
  • 結合組織 connective tissue:他の3つの基本的組織を構造的、機能的に支える。
  • 筋組織 muscle tissue:収縮細胞からなり、運動を司る。
  • 神経組織 nervous tissue:体外や体内での情報の受容、伝達、統合にあたり、体の活動を制御する。

の4種類に分けられる。

上皮組織 epithelial tissue

働き

  • 下層にある組織の保護
  • 物質輸送
  • 粘液、ホルモン、酸素などの分泌
  • 吸収
  • 上皮を通しての選択的透過
  • 感覚

定義

上表面を覆う組織。上皮組織は細胞が密に集まっていて、血管が侵入しない。バリヤーの役目をしている。

単語

  • 腺上皮 glandular epithelium:腺細胞よりなる上皮
  • 杯細胞 goblet cell:消化管や気道の円柱上皮に散在する。ムチンというムコ多糖類を分泌。
  • 上皮外腺 exoepithelial gland:発生学的に上皮から生じ、上皮の外部、結合組織の中に陥入してできる。

上皮 epithelium

分類

  • 扁平 squamous
  • 立方 cuboidal
  • 円柱 columnar
  • 単層上皮 simple epithelium
  • 重層上皮 stratified epithelium
  • 多列上皮
  • 移行上皮

詳細

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表面上皮細胞

微絨毛 microvilli

上皮細胞の自由表面側に見られる小さい指状の細胞質突起である。
細胞膜により形成された細かな突起。吸収面積を増大させる。

繊毛 cilia

運動する細かな突起。起動上皮、卵管などに存在する。各繊毛の根部には、それぞれ基底小体が見られる。

閉鎖帯 tight junction/密着帯 zonula occludens

上皮細胞間の接着複合体の最も頂上領域よりに位置する。オクルージン occludin、クロージン claudinにより形成され、拡散関門として働く。

接着帯 zonula adherens

密着帯のすぐ基底側に位置する接着装置。カドヘリン cadherinやアクチンなどと結合する。

ギャップ結合 gap junction(ネクサス)

密着結合や接着結合は接着機能が主であるが、ギャップ結合は細胞間の情報伝達に関わっている。イオンや種々の小分子が細胞から細胞へと伝達される。